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誰もが“はじめて”からスタート vol,5
2025.07.25
誰もが“はじめて”からスタート
プロが語る、最初の練習メニューとは?
一流ドラマーとして活躍する人たちも、スタート地点は初心者でした。そんな彼ら・彼女たちは、どんなふうに最初の一歩を踏み出し、どうやってスキルを磨いていったのでしょうか?
この企画では、プロ・ドラマーへのインタビューを通じて、初心者にも取り入れやすい練習方法や心構えを掘り下げていきます。ドラムを始めたばかりのあなたにこそ届けたい、実践的なアドバイスが満載です!
Case.12 [Mally(exist†trace)]
Case.12は、ロック・バンドexist†trace(イグジスト・トレイス)のドラマー、Mallyさんが登場。結成当初からの武器である力強いサウンドに、女性ならではの繊細な感性が融合したエモーショナルな楽曲、そして何よりも圧巻の“男前”なライブパフォーマンスがMallyさんの最大の魅力です。日本国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカでのツアーや大型コンベンションにも出演するなど、グローバルに精力的な活動を展開中。今後ますます注目が集まるexist†traceから目が離せません!
派手なのに地味なものが好き
【Q1】ドラムを始めた時期と、そのキッカケは?
Mally – 中学校の音楽の授業の一環で合奏があった時に選んだ楽器の中の一つなんです!その時の選ぶ基準が、“みんなと同じ”的な大多数の楽器は絶対に選びたくなかったっていうのが一番で、次に自分の趣味というか根底というか、派手なのに地味なものが好きっていう。(笑)それで選んだのが、ドラム、ベース、マリンバの個性派三種!それがキッカケで、のちに同級生だったメンバーからバンドに誘われたのが始まり。
【Q2】始めた頃の練習方法、特に自分一人で行っていた練習法は?
Mally – 始めた頃は独学で、間違った練習方法ばかりしていたけど(笑)、ステージ上での存在感や見せ方は凄く研究したかな。あとは、色々なアーティスト、対バンを見て、聴いて、自分が格好良いと思ったものを迷わず取り入れる!
それは今も変わらないかも。(笑)
【Q3】初心者の練習法で、ひとつだけオススメするとしたら?
Mally – 上半身と下半身のリズムが分離しがちだから、常に足と手の組み合わせを意識しながら演奏すると、より明確で強いビートになると思う!まず第一歩は、手と足を同タイミングで鳴らすこと!簡単な事ほど極めると難しいもんだと思います!!
まとめ
楽器を始めた頃、ドラムのほかにベースやマリンバも選んでいたMallyさん。今ではヴォーカルをはじめ、ツイン・ギターやベースを支えるバンドの“屋台骨”として、ライブで圧倒的な存在感を放っています。ドラムは「手足をバラバラに動かすのが難しそう」というイメージを持たれがちですが、Mallyさんは逆に「すべてを同時に鳴らす」練習法を教えてくれました。もちろん簡単とは言えないトレーニングですが、上半身と下半身のリズムをしっかり合わせるという、非常に重要なポイントが含まれています。ぜひチャレンジしてみてください!
Case.13 [ハットリクミコ(シナリオアート)]
Case.13は、関西出身の男女ツイン・ボーカル3ピースバンド、シナリオアートのドラマー・ハットリクミコさんにインタビュー。ロックやエレクトロニカ、シューゲイザーをポップな感性で包み込む、ドラマチックな音楽を展開するシナリオアート。インディーズ時代にタワーレコード限定でリリースされたシングル「ホワイトレインコートマン」は瞬く間に完売し、オリコンウィークリー・インディーズチャートで2位を記録。2014年1月にキューンミュージックからmini Album『night walking』でメジャーデビューを果たし、国内外で精力的な活動を展開中です。「部屋の片隅からセカイを変える」と叫ぶシナリオアートのこれからに、ぜひ注目してください!
エアドラムでずっと練習してました
【Q1】ドラムを始めた時期と、そのキッカケは?
ハットリクミコ – それまでは13年間ずっとピアノをやっていたのですが、高校一年生の時に、軽音楽部の新入生歓迎ライブがあって、その時に女性の先輩がドラムを叩いてて、初めて女性がドラムを叩いてるのを見て衝撃を受けて、すぐにピアノをやめてドラムを始めました。
【Q2】始めた頃の練習方法、特に自分一人で行っていた練習法は?
ハットリクミコ – 最初はベッドを叩いたりしてたのですが、うるさい!と家族から苦情が来て、それからは空中を叩くように、エアドラムでずっと練習してました。雑誌をガムテープでグルグル巻きにしてそれを叩いたりもしましたがやっぱりうるさかったみたいで、結局空中を叩くのに戻りました。
【Q3】初心者の練習法で、ひとつだけオススメするとしたら?
ハットリクミコ – ちゃんとしたドラムセットで叩くのが一番の上達方法だと思います。生のドラムはもちろん、電子ドラムなどでハイハット、スネア、タム、フロア、とそれぞれの位置を叩く練習ができるのがいいのかなと思います。一箇所をずっと叩いて練習するのと、それぞれの位置を叩くのとでは全然勝手が違います!さすがに空中での練習だけをずっと続けるのは良くないですからね!
まとめ
どうしてもドラムを叩けない時には、エアドラムでイメージ・トレーニングを行うのも効果的ですが、やはり実際のドラムセットに触れて、体でリズムを覚えることが上達への近道のようです。また、ハットリさんのようにピアノ経験を持つドラマーは意外と多い印象です。譜面の理解力やリズム感、さらに(動かす部位は異なるものの)手足を別々に動かすという感覚など、ピアノの基礎がドラム演奏の土台になる部分も多くあります。そう考えると、ピアノ経験者はドラムへの入り口がスムーズなのかもしれません。ピアノをやっていた方、ぜひこの機会にドラムにも挑戦してみてはいかがでしょう(笑)。
Case.14 [諸石和馬(Shiggy Jr.)]
Case.14はShiggy Jr.のドラマー、諸石和馬さんが登場です。諸石さんは2014年2月にバンドへ加入し、同年7月には2nd EP『LISTEN TO THE MUSIC』をリリース。この作品では、イラストレーターの江口寿史氏がジャケットアートを描き下ろしたことも話題を呼び、インディーズながら異例のヒットを記録しました。翌2015年6月にはメジャーデビューを果たし、7月には初のワンマンライブを開催。2019年にバンドは解散するも2024年に再集結を発表。今後の動向から目が離せません。
ドラムを叩き始めたのは小学生
【Q1】ドラムを始めた時期と、そのキッカケは?
諸石 – 初めて「ドラムってカッコいいなあ」と思ったのは、幼稚園のときに父に連れて行かれたWhite Snakeの来日公演でした。当時のドラマーが誰かは覚えていないのですが、ドラム・ソロでスティックを投げ捨てて素手で叩きまくる姿がとにかくカッコよくて痺れたんですよ。その後しばらくドラムに触れる機会はなかったのですが、小学4年生のときにドラムが好きな教育実習の先生が来たんです。彼の影響でまたドラムに興味を持ち始めて、休み時間のたびに音楽室に遊びに行ったのがドラムを叩き始めたキッカケですね。
【Q2】始めた頃の練習方法、特に自分一人で行っていた練習法は?
諸石 – ドラムって楽器の集合体だから、最初はどこを叩いたらどの音が出るのかがハッキリ分からないんですよね。実際に触れてみて各楽器の音を理解してから、頭の中でドラム・セットをイメージしながら曲を聴くようにして、実際に楽器の前に座って叩いて真似することを繰り返してました。
【Q3】初心者の練習法で、ひとつだけオススメするとしたら?
諸石 – どんなにガムシャラでもいいから、とにかく録音してみること。今はスマホのカメラも発達しているから、叩いているところを動画で撮って記録するのがオススメですね。客観的に自分をみて「なりたい自分のイメージ」と比較して、課題を見つけていくと猛スピードで成長できると思います!
まとめ
初めてドラムに衝撃を受けたのは幼稚園の頃――しかもそのきっかけがWhite Snakeというのが、少し意外に感じられる諸石さん。実際にドラムを叩き始めたのは小学生の時で、幼い頃から楽器に親しんできた経験が、現在のドラミング・スタイルにしっかりと生かされています。そして今でも探究心は衰えず、新しい機材やスタイルの導入にも常に意欲的。そんな諸石さんの進化するドラム・パフォーマンスから、これからも目が離せません!